DIE WITH ZERO |書評|ビルパーキンス 訳 児島修

人混み

DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール

「ゼロで死ね」

鋭いタイトルですが、本書を読み終える頃にはその意味がよくわかります。

「アリとキリギリス」の話。

みなさんご存知かと思うんですが、

アリのようにコツコツ働いておけば、後でいい暮らしができます。

一方、キリギリスはいつも遊んで暮らしていたので、厳しい結末となります。

そりゃ、そうですよね、しっかり働いておかないとそうなりますよ!!

でも、果たしてアリの人生は楽しかったのでしょうか?

こんなデータがあるそうです。

退職時5,000万円貯金がある、お金持ちが、

亡くなるまでに、その金額の11.8%しか使っていない。

88%は使わず残して亡くなってるんです。

せっせと働いて、お金を貯めている頃は 老後にひもじい思いをしたくない。お金で苦労したくない。 そういう思いで働いているのではないかと思います。

でも老後にできることって限られますよね。

確実に体力は落ちています。海外旅行に行けるかも分からない。

遠くにいる友達に会いに行くことができるも分からない。

やりたいことの幅もどんどん狭まっていくのではないかと思います。

自分の会いたい友達に会いに行くと、経験、思い出ができますし、

さらにまだ若いうちだとその友達と次にまた遊ぶ機会ができるかもしれない。

若い頃に経験すると、さらなる次の経験を積もうとする意識が生まれたりと、複利の効果も得られます。

著者は、

「人生は経験の合計」

「人生で1番大切な事は思い出作り」だと言っています。

なぜか私たちは 毎日せっせと働き、世界が永遠に続くかのように 生きてしまっています。

喜びや楽しむことを先送りしすぎています。

自分が人生でやりたいこと、自分が本当に楽しいと感じる事は何なんでしょうか。 それは老後に温泉旅行に行くためのお金を貯めることでしょうか。

冒頭にアリとキリギリスのお話をしましたが、

どちらが正しいと言うことではありません。そのバランスをとることが大切だと著者は言いたいのでしょう。

老後2,000万円問題というのがありましたが、1,500万円を残して死んだとしたら、

1,500万円分の経験をするチャンスを逃したと言うことになります。

「ゼロで死ね」

 私は本書を読んで、お金の使い方や時間の使い方を見直すきっかけになりました。

最後に

私は小学校低学年の頃、母から1日30円のお小遣いをもらっていました。

 ある日、父が

「お母さんには内緒だぞ!」と言って500円をくれました。

さらに「今日その500円を全部使ってしまいなさい」と言いました。

その日は、たくさん好きなお菓子を買い、普段はお小遣いが足らなくてできなかった、近所のスーパーに置かれていたゲームをして、とっても充実した1日になったことを覚えています。

当時の500円は今の私にとって5万円くらいの価値があったかもしれません。

父は、そのことを私に伝えたかったのかな。ふとそんな出来事を思い出しました。

(完)

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