言語化力|書評|三浦 崇宏|SB Creative

鉛筆

言葉の力って、すごいですよね。

2つトピックスをお話しします。

「保育園落ちた 日本死ね」

2016年一人の普通の女性の無名アカウントから発信されたツイートが、

メディアに取り上げられ、国会で議論になるほどの大きなテーマになりました。

これが、

「保育園落とされたどうにかしてほしい」

「保育園行くところがない、悲しい」という言葉であったら、

ここまで取り上げられたでしょうか?

そこまで広がらなかったでしょう。

「日本」と言う建前でだらけの大きい敵を倒したいと言う意志が伝わる。「死ね」と言うシンプルで心に残りやすいある意味攻撃的な言葉。

コピーライティングを勉強したプロの言葉ではなく、一般の人の言葉でもこれほどに力を持つことができる。真実むき出しの魂の言葉の威力の凄まじさを感じますよね。

このことから感じることは、

言葉は、

  • 有名人でなくても発信できること
  • 一言、たった10文字でも国を動かすほどの力があること

ビジネスをドライブするのは、数字ではなく言葉である」

これまでの時代、ビジネスで重要視されていたのは、数字でした。

筆者は、クリエイティブディレクターという職業柄、いろんな業界の方とお会いになっているそうなんですが、昨今では、どの業界も「数字の限界」が来ていると感じておられるそうです。

今までは、ものをたくさん作って、安く作れば売れる。より良いサービスを提供すれば儲かる。人を増やせば売り上げが上がっていく。

今年は1億円を目指しましょう!来年は2億だ!

成長、進化のベクトルは定まっていて、その後の進むべき距離だけ考えていればよかった時代でした。 しかし今はそのベクトルが定まっていません。

時代が変化するスピードが加速して社会やビジネスのルールもあっという間にアップデートされてしまう。私たち一人一人が、そして企業だってどちらに行くのが正解なのかわからない。そういう時代だからこそどちらに進むべきかを決めて断言できる、言葉にできる人間が強い。

言い換えれば現代と言うのは言葉がないと前に進めない時代になってきたということです。

 プロジェクトごとにKPIを設定し、クオーター毎、一年毎にチームで数字を確認し一喜一憂する。

しかし、KPIを細かく 追えば追うほど、「あれ?これ何のためにやってるんだっけ?」という感情になり疲弊してしまう。

仕事を通して、世の中をこんなふうに変えたい、そんなモチベーションで始めたはずの仕事が、KPIと言う正体不明の数字に追われるだけの過酷なゲームになってきています。

旅行を例にしてみましょう。

来月4000キロ先へ行こう!と言われてテンションが上がる人はいませんよね?

しかし、来月ハワイに行こうと言われたらどうでしょうか?

飛行機で行こうか?どの航空会社を使って、どんな水着を持っていこうか?テンションも上がりモチベーションも高まり勝手に各々工夫していくんではないでしょうか?

人の心を動かすのは言葉。

言葉の大切さが、増していると言うことですね。

終わりに

本書のほんの一部の紹介しかできず残念です。

著者三浦さんは、新規事業開発から広告クリエイティブなどを手がける(株)GOの代表者です。そんな最先端のクリエイターさんの言葉に対する考察を得ることができる本書はコスパ最高です。

言葉は、大切だ!言葉の力はすごい!と言ってるだけでは始まりません。情報発信する力を身につけていきましょう!と言うことで、

最近Twitterで一日2、3ツイート呟きます。

渾身のビジネスツイートをしても反応薄いのに、意外なツイートでいいねがたくさんもらえたり、言葉は本当に難しいですね。

言葉に向き合い、その力を高めていくことが今後さらに重要になってきます。

有名人でもないただの一般人の言葉が、日本を動かすことがあるのですから。

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