こども「学問のすすめ」

 コロナウイルスの影響の中、外出できなくて、子供たちと何をしようか悩みますよね。遊ぶところも限られるし、家の中で退屈ですよね。 お子様たちの宿題ははかどっていますでしょうか? そんなときは、本書でお子様たちと一緒に「勉強すること」について考えてみませんか。 

 「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」で、有名な福沢諭吉の名著「学問のすすめ」をテレビでもおなじみの斎藤孝さんがこどもでも分かるように解説してくれます。小学校低学年から理解できるのかなと思います。

 全部で100ページちょっとなのですが、大げさではなく、全ページしっかり読む価値ありです。もうすぐ40歳の私でも考え深く、非常に勉強になりました。要点をまとめるのも難しいのですが3点に絞ってお話します。

 「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」 。
福沢諭吉が生きた江戸時代はまだ生まれながらに身分が決まっていました。そんな中で、 人は皆平等だよ、差別はよくないよという話ですよね。
 でも、本当に諭吉先生が言いたかったことは、「賢人と愚人との別は、学ぶと学ばざるとによりて出来るものなり」に表現されている通り、生まれたときには平等なのですが、その後「学んだか、学ばないか」によって尊敬される人、そうでない人、豊かな人、貧乏な人等、個々に差が出るよ。ということ。赤ちゃんの時はみんな平等です。

 「もっぱら勤むべきは、人間普通日用に近き実学なり」。世の中の役に立つ学問を「実学」といいます。学問の内容は様々ですが、まずは日常生活に役に立つものから学習しましょう。何の役に立つか分らぬまま、文字を読むことだけを行っていては、学問のための学問になってしまい、勉強する目的が置いてけぼりになってしまいます。
 こどもにただ「勉強しなさい」というのではなく、「国語」「算数」「理科」等学校で勉強していることは、世の中の役に立っているということを、いろんな職業を例に出して話すのもいいかもしれませんね。大人である私たちは、ただ資格を取るためだとか、本の字を読み流すだけの勉強ではなく、目的をより明確にした、「勉強」「読書」をしないといけませんね、、。

 「信用こそ人生の第一義、かりそめにも人に当てにせらるるひとにあらざれば、なんの用にも立たぬものなり」。人生で大事なことは、人に信用されること。これを「人望がある」といいますよね。いくら頭が良くても、人望がなければリーダーにはなれません。誰もついてこないからです。だから信用されない人は、世の中の役に立たないと諭吉先生は言っています。

 この本の帯に読者からの声として「だからぼくは勉強するんだ」と、こどもが自分から説明してくれました。と書かれてあります。諭吉先生の熱いお言葉がお子様の心に響いたんでしょうね。一方うちの2年生の子には響かず、、。弟と謎の闘いごっこが始まりました。来年また読もうと誘ってみます。人それぞれですね。

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