書評|「いい質問」が人を動かす 谷原誠

風景

× 「なんでこんなことができないの!」

〇 「どうしたらできるようになるんだろう?」

”人間は自尊心のかたまりです。人間は、他人から言われたことは従いたくないが、自分で思いついたことは喜んで従います。だから、人を動かすには命令してはいけません。自分で思いつかせればよいのです。”

著者は質問のプロ、弁護士です。275ページとなかなかのボリュームですが、有益ページが非常に多く、なかなか速読できませんでした。名著です。

すべて良いトピックスなのですが、3つピックアップします。

①ダメな質問

【ネガティブクエスチョン】:「どうしてできないんだ」
相手に否定的な考えを強制。できない理由を述べさせる。ほんとはどうしたらできるかを考えてもらわなければいけない。

【ノーアンサークエスチョン】:「何度注意されれば気が済むのか」
質問は答えを求めるものなのに答えを求めていない質問。「10回です」と答えるわけもなく、相手は謝るしかない。

【相手の答えを即座に否定する】:「それは違う」「そんなのナンセンスだ」
自分の考えが相手よりも優れていること証明したい。質問しておきながら、即座に否定するのは相手に質問する資格がありません。両者プラスの方向に行くにはどうすればよいか自問してから発言する。

【相手の脳に負担をかける質問】:突然の「将来どうなりたいか?」等
質問は、相手を強制的に考えさせ、答えなければならないという負担をかけている。「今の仕事はずっと続けていくつもりなの?」等なるべく質問に制限をかけ、答えやすい質問にし、知りたい答えが出るよう質問を重ねる。

②まずは、感情を動かしその後理性に訴えかける

人間が動くには、まず感情が動いて欲求が発生し、その後理性でその行動を正当化する。
テレビの通販番組は忠実にこれを守っています。最初から値段は言いません。みんなの「困った」を提示し共感を得て、その後商品メリットをたたみかける。欲しくなった段階で、「値段」、「分割払い」「金利ゼロ」や「おまけ」など理性が購入を正当化しやすい情報を提供する。
皆様も相手に上手に質問して、その気にさせてみましょう!!

③視点を変える質問でより良い解決策を(チェンジアングル)

依頼人の立場、裁判官の立場、お父さんだったら、親友の○○君だったら、全く関係のない人だったらどう考えるかなぁと自分に質問しましょう。
自分には大変重要だったことが以外に重要ではないことも。チェンジアングルによって、一度自分の外に出て考えることで、冷静さを取り戻し、より良い解決に進んでいくことができるでしょう。

おわりに
ここまで読んでいただいてありがとうございました。紹介しきれなかったトピックスもかなり知的好奇心をくすぐられる内容です。ぜひ!

最後に皆様に質問です。

「やればできるけど、やらないだけ」と思っていることはなんですか?


これも何かの縁です!今すぐ始めましょう!!

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