異端のすすめ

「異端のすすめ」(出版 SB クリエイティブ 初版2020/2/15)。著者は弁護士にして大阪府知事、大阪市長を歴任された橋下徹氏。現在は、タレント活動の他、講演、執筆活動等多方面で活躍されています。
 本書の主題は、いつか自分が死ぬとき、人生を振り返る時間が数分あった時、自分の人生は本当に良かった。今死んでも後悔はない。と思えるか。今を精一杯、完全燃焼して欲しいとの著者からのメッセージです。
 著者は、皆様ご存じの通り弁護士、タレント、知事、市長、国政政党の代表を経験、「大阪都構想」の実現のため精力的に活動し、都構想の住民投票に敗れ政界引退となりました。著書は弁護士になるほどの能力のある方であり、私のような凡人とはもともとが違う、、。読後はそんなことを考えていた自分が恥ずかしい。生まれ持った才能が違うというのはまだまだ一生懸命さの足りない私自身のただの言い訳。迷ったら大胆な方を選ぶ、努力、チャレンジする等人生を精一杯生きるという行動をしなければいけない。背中を押される一冊です。

 現在は、組織の構成員としてというより、個人の価値が問われる時代になってきました。それは、単純に独立するという意味ではなくて組織の中においてもそうであろうと書かれてあります。自分の価値、質は量で磨かれる。他人より量をこなさなければ、それも圧倒的な量をこなさなければ質はついてこない。やはり、コツとか表面的なノウハウはあっても量をこなさなければ自分のものにならないんですよね。質に磨きがかかり自分という商品価値が上がって来ると、量に追われることがなくなるというプロセスをたどる。さらに、それは計画的にできることではない。今この時の積み重ねでできている。

 もう一点本書の要約をピックアップすると、インターネットの普及で情報洪水の時代になっています。評論家などはインターネット情報のつなぎ合わせのようなコメントをする方などがいますが、そんな中でとにかく自分の頭で持論を打ち出す訓練をすることが大切。情報は溢れているため真偽を見極めるのは非常に難しいですが、真偽は別として「自分はこう思う」を言える訓練をすることで思考力が高まり、他者との差別化が図られていく。もちろんある程度の基本的な知識は必要ですし、相手にいい反応をもらうことは難しいですが。

 本書は、著者がどう苦労し、どう人生を懸命に生きてきたか実体験に裏打ちされた言葉で書かれており、ただの成功論理を連ねたものではありません。実際に苦労されてきた内容もしっかり書かれており、言葉の重みがずっしりと響きます。数多くの方に読んでいただきたい名著だと思います。
 私自身。今自分が死んだとしても後悔はないと言えるか、、、今はまだ、言えない。

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