他の店が泣いて悔しがるサービス/香取貴信/初版2005.4.10

観覧車

他の店が泣いて悔しがるサービス―人生で大切なことはすべて接客で教わる! (知的生きかた文庫)

皆さま、大変ご活躍のことと存じますが、日々のタスクに追われ、もしかしたらお客様へのサービス精神を忘れてはいませんか?

お客様に喜んでほしい! そう、サービスの原点!

いわゆる”ヤンキー”だった著者が、ディズニーランドでアルバイトをしたことをきっかけに「サービスの喜び」に目覚め、サービスのコンサル会社を設立し、起業するまでになりました!

本書は、著書のコンサルを通じて得られた経験から、感動を呼ぶサービスエピソードが満載。中には涙が出るエピソードも。中でも興味深かった2つのエピソードをご紹介します。

【東京ディズニーランド、今もなお語り継がれる伝説の話

あるご夫婦が、ランチをしようとパーク内のレストランに来店したとき。そのご夫婦は、自分たちのメニューを注文した後に「お子様ランチ」を一緒に注文されました。

このレストランではお子様ランチが注文できるのは”6歳以下”のルールがあります。

店員A「申し訳ありません、お子様ランチは6歳以下の子供さんのメニューになっておりまして、、。」

お客様「ああ、ごめんなさいね。お子様ランチはいいわ、気にしないで。」

店員Aはいったんバックに戻るも気になって、

店員A「あの、、先ほどは申し訳ありませんでした。あとからお子様がいらっしゃるのですか?」

お客様「いえ、実はね、私、この前流産しちゃって。だから今日は、子供と一緒に親子三人で来ているつもりで、、。つい無理なこと言っちゃって困らせちゃったわね。」

店員A「あ、そうでしたか、、。気づかなくて申し訳ありませんでした。」

店員Aは一度バックに戻り、マネージャーにどうにかならないかかけ合います。

マネージャー「なんかあったら私が責任をとるから、注文を受けて。そして君がお客様に運んで。」

そして、お子様ランチを店員Aが運びます。

店員A「三人で、ごゆっくりお楽しみください、」

ご夫婦が喜んだのは言うまでもありません。ご夫婦は帰り際にスタッフに、

お客様「私たちの気持ちをここまで汲んでくれたディズニーランドに本当に感謝しています。どうぞあの女性スタッフの方にもよろしくお伝えください。」

と言って帰って行かれたそうです。

お客様は今回のことを新聞の読者欄に投稿し、たちまち全国版の新聞にも掲載されました。このサービスは「伝説」となったそうです。

どうでしたでしょうか。自分だったら、「お子様ランチは6歳以下のメニューなので、、。」とあっさり断っていたかもしれません。一度バックに下がった後、気になってもう一度お客様のところに行くことができたでしょうか。

さらに、マネージャーも自分の手柄とせずに、きちんと受付けたスタッフにお子様ランチを運ばせた。

お客様の心に耳を傾け、今できることをチームで考え行動する。

【長崎県のホテルマン

著者が長崎に出張に行った時のことです。

その日の打ち合わせが終わった頃には、もうすっかり夜も更けていました。打ち合わせがこんなに長引くとは思っていませんでしたから、泊まるホテルも予約していませんでした。

ひょっとしたら、どのホテルも満室なのでは、、。

へとへとになり、体を引きずりながら駅前に着き、哀願するような口調であるホテルのフロントの女性に尋ねました

著者「すみません、予約していないのですが、空いている部屋はありますか?。」

フロント「大変申し訳ございません。あいにく本日は満室になっております。」

やはり、、。

しかたなくホテルを出ようとした瞬間

フロント「あっ、お客様!もしよかったら、この近くのホテルを当たってみましょうか?少々お時間をいただくとは思いますが、、。」

フロントの女性には何のメリットもないはずです、、。

〈終わりに〉

いかがでしたでしょうか?
それは理想論だよ!って声が聞こえてきそうですが、

そうですよね。顧客満足を追求すれば、目の前の生産性は必ず落ちます。でもそれは一時的かもしれません。時間と労力をかけてお客様の心に耳を傾け行動することで、そのお客様は生涯客となってもう一度来店していただけます。

上記エピソードのようなことはそう簡単にはできません。しかし、お客様の心に耳を傾ける。それをチームでやっていく。できることから少しづつやってみませんか?そんな気持ちにさせてくれる一冊でした。

その他にも数々の心温まる伝説のエピソードが掲載されています。日々のお疲れを癒すためにもご一読を!

あ、この本、メルカリで定価以上の値段がついてますよ!だっていい本ですもん(終)

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