1万円札の原価は二十数円。薄い紙切れなのに、どうして1万円分の物やサービスと交換できるのでしょうか? それは、この紙切れには1万円分の価値があると私たちが信じ込んでいるからです。
著書はホリエモンです(初版2020/2/27)。 本書は、お金にまつわる32のトピックスが掲載されています。その中でも面白かったトピックスを3つご紹介します。
①貯金の話。
「老後2000万円貯金が必要」、「お年玉を一度に使うな」、「貯金しなさい」。貯金があたかも「ゴール」、質素倹約が「美徳」であるような思想を皆なぜか小さい頃から叩き込まれていないでしょうか。本書では、「もしリスクヘッジしたいなら信用を貯めろ」と言っています。
信用は一種の無形固定資産。自身に信用があれば、その信用はお金に変えることができる。社会的な信用があれば自分がピンチになった時に誰かが助けてくれる。 今お金があるなら、それを使って勉強することや、様々な経験をすることで信用の貯金をしていくことが大事。
②「通貨には価値がある」という共同幻想。
ビットコインなど仮想通貨は、リアルな物体としての価値を持ちません。しかも無国籍なので世界中の誰でも使えます。一時期「中国」「ロシア」などは、自国の通貨である「人民元」「ルーブル」の信用力が低かったため、それぞれの国の「意識高い系」の金持ちが、一斉にキャッシュをビットコインに換金し始めたことがあると言われています。あわてて各国規制をはじめたとか。
日本でもキャッシュレス化が広まり始めました。私もスマホ決済をよく利用しており、現金をほぼ使わなくて1日が過ごせます。小学生でも「Suica」や「nanaco」を平気で使っていますし、現金を使わない世界がやってくるかもしれません。
「国家が発行している通貨は信用できる」といった思い込みは共同幻想。安定していると言われる円やドルもその信用が永遠に保たれる保証はなく、将来円が大暴落したとき、ビットコインが安定していたなんてこともあり得るかもしれません。
お金のかたちがどんどん進化している現実を柔軟に受け止めるべきでしょう。
③消費者余剰という考え方
消費者が「マツタケ1本にギリギリ4000円までなら払ってもいい」と考えていたとします。それが3000千円で買えたら「差し引き1000円得をした」という顧客満足度が消費者余剰と考えます。GDPにはこの消費者の豊かさは計算されません。GDPが低成長だからと言って、そんなに悪い時代でしょうか?
昔1本5000円だったファミコンソフトが、今のゲームはスマホでタダ。LINEやyoutube、Googleマップのサービスだってタダ。最近は映画もAmazonプライム等で格安でみられます。
テクノロジーが進化するほどに、お金に換算することができないプライスレスな消費者余剰が右肩上がりで増えていき、そんなにお金がいらない時代がやってくるかもしれません。田舎に行けば家賃は安く、パソコン1台あれば仕事ができる。少ないお金で食事ができ、娯楽もほぼタダ。くいっぱぐれることがない時代、、。
お金がいらなくなった世界であなたはどう生きるか。
お金の正体は信用。お金というフィクションに翻弄されず 、自分の信用を貯めていきましょう。
今回書ききれなかったトピックスもかなり面白いのでぜひご一読を!